そう、今年新バンドを結成することとなった。
その名もTOKYO FLICKERS!。
メンバーは、俺が尊敬してやまない人物ドラびでおこと一楽さん。蛍光灯を刀のごとく振り上げ爆音ノイズを繰り出すオプトロンの伊東さん、見たこともない光線を操るレーザー魔術師YAMACHANGさん、さらに我らが兄貴ロカペニスことペニス先輩、そして俺だ。
このメンバーを聞いてお分かりだろうか、俺以外みんな不良だ。
不良なんて言うときっと後で絞められるかもしれないので黙っていてほしい。
メンバー結成の発端は、一楽さんが今年から始めた秋葉原グッドマンで隔月開催される”コラボレーションブレイクダウン”というセッションイベントにロカペニさんと呼んでもらった際、3人でVJをやった時の快感が忘れられずなにか形にしようということで始まったのだ。
それから5月11日スーパーデラックスで初ライブを迎えた。
初ライブにも関わらず俺は用事があったため、リハーサルに参加せず本番前に到着することとなった。そしてみんなピリピリしていることに気付いた。先述の通り怖い先輩方のピリピリは弱小者の自分にとって脅威でしかなかった。αAREAの爆音ノイズと暗闇の中、俺は必至でRCAのケーブルを手当たり次第、穴という穴にぶちこんでどうにかセッティングを行った。
そしてピリピリの理由が分かった。
一楽さんの機材が盗難に遭ったのだ。
というか機材を失いながらもライブを行えるこのメンバーの柔軟性はすごかった。
その日から機材捜索を行うが今のところ出てくる様子はない。
ちなみにうちの嫁は、「ネットを駆使して探すから盗られた大体の住所教えて!」と声高らかに協力してくれたが、ネットではなくその住所でお互い路上を捜索するロカペニさんに遭遇したらしい。
それからみんなで話し合い、貧乏人の僕らは作品を売りさばくことでこれからライブ活動が出来るよう資金を集め無くなった機材を取り戻すアイデアが生まれた。
そして生まれたのが、「experiment in ERA」だ。
もちろん僕らは全て即興なのでまだ曲がない。
なのでライブ形式での撮影を下北沢ERAで深夜行った。
まずセッティングで2時間くらいかかった。なぜならロカペニさんがプロジェクターを4台、YAMACHANGさんはレーザーを2台、一楽さんもプロジェクター1台、俺はnegoで使用しているプロジェクターとこの日の朝に届いた新品のプロジェクターの2台をセッティングするからだ。
そしてレーザーからマッドPAソウさんによって組まれたノイズがいい感じに流れる中いよいよ撮影が始まる。
撮影から15分、俺の新品プロジェクターから謎の線が出る。
なんと早くも壊れてしまったのだ。まだ俺の手に渡ってきてから24時間も経ってないのに。
そんなことあるだろうか。
15分経った段階で俺の心は折れそうになったが、ここはもう天才的な俺の脳が「そもそもプロジェクターを買った覚えはない」という信号を送りどうにか平常心を取り戻すことが出来た。
それから朝まで出来る限りの実験(experiment)を収録した。
どんなものになったかは是非この予告編YOUTUBEを見てもらいたい。
本編ではこの予告編から先、怒涛の映像とノイズ、レーザーが鳴り響く。
正直、17分全編見続けると俺のプロジェクター同様きっとぶっ壊れるだろう。
でも見たこともない、映像と音になっていると思う。
そしてもしよければ寄付という心持ちで買ってもらえたらうれしいのです。
さらに一楽さんの機材代をもしみんなの協力で回収できた暁には、その後、
初期不良ということで発売元に郵送された俺のプロジェクターがそのまま返送されてきた場合、
新しいプロジェクター代になればいいなあと思っているのでした。